もともとは、日本の家づくりは、「大工さん」が行っていました。大工さんは材木を加工して木を組み、家を建てる職人さんで、家づくり工程の大部分に関わることになる立場です。
その中から大工さんを束ねる「棟梁」という立場の人が生まれ、棟梁は大工工事だけではなく、家づくり工事全般を取りまとめる役目になっていきました。
長い間「棟梁」が現在のハウスメーカーや工務店の役割を果たしてきたと思います。
現在も主流である在来木造の建て方をする場合に、材木を手で加工し、現場で組みあがるように切ったり穴をあけたりするので、棟梁の仕事なしでは家が建たなかったので自然にリーダー的な立場になり、お客さんと話をして、全部の采配をするようになっていきました。
何十年かは、そういう時代を経て、だんだんと建築業界も変わってきました。
大手ハウスメーカーと呼ばれる巨大な企業が表舞台に出てきたのは、そのような職人の手加工の部分を、工場で機械でできる技術が生まれたことが大きな要因であると思われます。
パネルやユニットを工場で作り、それを現場で組み立てる方式が最初に生まれ、現在ではかつて棟梁がやっていた、在来木造工法による材木の加工も、全部プレカット工場で機械ができるようになりました。
今や大工さんが手で加工する建物は、数えるほどしか建てられなくなり、大工さんの卓越した技術は特殊な場所以外どんどん需要がなくなり、若い世代には伝えられなってきました。
高度な手加工の技術に変わって、現代の家づくりに必要なのは、職人の経験値から来る建物の強さの予測ではなく、断熱や気密、構造の計算などの、コンピューターで高度に計算された確実な性能です。
昔を知る大工さんも高齢化し、手で材木を加工していた時代のことを知らない世代の考え方に家づくりの常識が移り変わろうとしています。
職人の技術が機械制御の技術の台頭によって、どんどん過去の遺産にされてしまうのは寂しくもありますが、けれど、家を建てるお施主さんにとっては、昔に比べ、いろんな意味で安心で確実な家を建てることができるようになっています。
良い棟梁にあたればよかったのですが、自分勝手な棟梁にあたってしまうと、自分が建てたい家ではなく、棟梁が建てたい家が建ってしまうことが決して珍しいことではなく、「家というのは素人がよけいな口を出すものではない」という、今からは全く考えることができない風習が、ほんの数十年前には当たり前だったのです。
今は家を建てる人がインターネットによって様々な情報を集めることができ、自分好みの家を建てることができる時代です。
昔に比べれば選択肢がとてつもなく増えた分、今度は情報がありすぎてわけがわからなくなってきます。
たとえば、テレビをつければ住宅展示場のCMがバンバン流れ、新聞や情報誌には住宅のチラシがこれでもかと入ってきます。
インターネットで積極的に調べに行けば、その何千倍何万倍の情報が取れます。
家づくりを考えるときには、最初の段階ではいろいろな情報を集めるのはよいのですが、計画がある程度具体的になった段階では、情報を絞りこんで、自分に合った形を選んで家づくりを進めないと、「あれよあれよ」という間に、自分が思っていたのと違う方向に進んでいることがあります。
家づくりに失敗しないための、情報収集法、自分にあった家づくりのパートナー選定法、相手がどれくらい誠実な会社か推し量るための秘密の質問法などをまとめた、「失敗しない家づくりのための心得帖」をふくかぜの家でまとめました。
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